行楽シーズン真只中!! 秋の龍神温泉

---2004.11.21---


夏に117クーペのオフ会で神戸のレストア専門ショップフルヴィアートに行った時、社長が「機械は使ってこそ存在意義があり、車は走らせてこそ車である」というようなことを仰っていました。「ピッカピカに磨き上げられてそれこそウン千万もするような旧車をろくに走らせもせず、箱入り娘のようにガレージからなかなか出してもらえない、これではいくら高額な値段で取り引きされようが車としての価値はゼロだ。我々は歴史に残すべき優れた車を直せるだけ直し、乗って走るものにするため保存(動態保存)するのが目的である。アナログな機械はどんなに壊れても直らないものは無い。」ということだそうで、その時はそれなりに感慨深くは聞いていましたが、今回のツーリングではなんだか「走らせてこそ車」だということを今更ながら実感した1日でした。

とは言え、いつものツーリングとどうちゃうねん?と聞かれても具体的にこう・・・ということもないんですけど、スローダウンしながらも黒煙や白煙を吹くまくりながら一生懸命峠の坂を登っていくホンダNやスバル360を見ていると、真後ろで2台の噴煙をモロに浴びながら走っている僕も、胸が熱くなってくるではありませんか。
とまあ今回は珍しくワインディングを攻める(?)アクティブに走りの趣向も盛り込んだ高野龍神方面のツーリングです。



集合場所は、大阪組は河内長野にある「8000番」というドライブイン。まだ朝8時です。僕とつるは氏が着いたのはちょうど8時ごろ。すでにほとんどの車が集まっていました。
この季節になると日の出も遅いので8時でもすごい早朝に見えます。

ドライブイン8000番は、電話番号の下4ケタが8000だからみたいですが、そのネーミングの奇妙さからしてだいたいどんなところか想像もし易かろうと。
まだお店の開店前なので自販機周辺しか入れませんが、色のほとんど褪せた古本の週間のマンガ本やら週刊誌やらがいっぱい積まれて「ご自由にお持ちください」って、そりゃまあそういう人もいるかも知れんけども・・・

なんと千葉からはるばる遠征して来てくれたようちゃん&なおちゃん@べレットGT。前の日はライブが終わってから夜中に出て6時間半で大阪に着いたそう。「少し仮眠した」とはいえこれから夜までツーリングでっせ。イーストメンバーってパワフル〜。
今回は44φソレックスじゃなかった“ミクニ”(なぜか本人これを強調)キャブもセッティングバッチリの様子。それに最近付けたセミトラもなかなか調子良いみたいです。

OCUさんのスバル360。3台ぐらい持ってるんでしたっけ?部品もガレージに山とあるとか。爽やかなライトブルーが可愛いです。ルーフのソフトトップは、純正ではいちおうそういうグレード設定があったらしいのですが、これはノーマル(FRPだったっけ)を改造したものだそう。オリジナルのソフトトップ仕様は非常にレアだそうです。
超深リムにワイドタイヤ、ブルーの目と、かわいいやんちゃ坊主みたいな雰囲気です。

8000番にはいかにも怪しげな別室があります。昭和の時代ならまだしも今でもこういうの自販機で売ってるんですねえ。
朝の早よからそんな嬉しそうに見てるやつ誰?(いちおうボカシ付き)

「時代はDVDなのよ」

ほどなく8000番を出て和歌山組との合流場所である橋本の「やっちょん広場」へ。地元の農産物の市場みたいなところです。次から次へと車が入ってきます。えらい人気スポットですね。たしかに野菜は安いそうです。
お腹が空いたので朝ご飯に、表で売ってた“田舎こんにゃく”を1串。みんなこれ食べてましたね。

RIさんのパンダもパティシエさん2cvも到着しているのに、なぜかもう1台の2cvが姿を表さない・・・。どうやら途中で道を間違えて全然違う方へ行っちゃった模様。とりあえずしばらく待つことにします。
その間うだうだと雑談するものあり、中で買い物するものあり、食うものあり、車のオフミみたいになっている集団もありで、それぞれに適当に時間を潰すのでした。

スバルのエンジンルームを開けて歓談するマニア達。
しかしこの客の多い駐車場にこんな車を並べて2時間近くもいると、やはり1人は2人は声をかけてくるおじさんがいます。今回は「部品はおまんのか。燃費悪おまっしゃろ」は言わんかったねえ(笑)>おっちゃん@2cv

結局このままいつまでもこうしてられないので、未到着の2cvを待たずにしょうがなく先に出発することに。

九度山から高野山に向いて上っていきます。自然の空気が奇麗ですがこれを我々旧車の排気ガスで汚すのは弘法大師に怒られそうな気もしますねえ。

ここら辺が大門かな?
ここからが高野山、神聖な場所です。

このあたりは高野山のメインストリートでしょうか。この日は21日お大師さんの日とあってか、結構な人出です。隊列に驚くギャラリー。一人で117に乗ってても注目度が高いのに、珍しい車がこれだけの列になると何のアトラクション?とでも言わんばかりに物珍しげに首を振り振りする人達がおもしろいです。
旧車乗りの中には、こういう満足感というか優越感みたいなのが楽しくて乗っている人もたくさんいたりして。まあ僕もちょっとそれはあるけど。

高野山上ですでに待っていた現地組数台と合流。ここでトイレに行くものもあり。するとほどなく遅刻の2cvがやっと姿を現しました。皆さんかなりひんしゅくな表情。
やっと全車揃ったところでいよいよ龍神スカイラインへ。ずっと有料だったのですが去年から無料になったそうです。

ワインディングを運転中に写真など撮れません。てことで無しです。ずっと僕の前をNコロとスバルが走っていて、その健気な姿ときたら・・・。なんぼ煙を吹こうが「このままシフト・ザ・フューチャーされてたまるか」みたいな根性が感じられて感動的ですらありました。ドライバー本人はそんなどころではなかったでしょうけど。

途中、ドライブインにて昼食タイム。

と、外を見ると例の2cvが何やら作業中。なんとブレーキパットが減って無くなっており、直接金属のプレートがローターを削りながら止まっていたそうで、急遽ブレーキパッド交換とのこと。
しかしまあ、そんな状態で山岳ツーリングに挑むとは・・・。それにここで交換してもらってなければおそらく帰りは一緒でなかったかも・・・。恐わ〜。

さて20キロほど適度な山道を楽しみいよいよ龍神温泉。無線で協議の結果、新しくて大きく綺麗だという「季楽里」へ。車を止めまさにドアのすぐ前まで行ったその時「一般のお客様は2時までです」って。えええ〜〜〜。この時すでに3時前。土日は宿泊客のために早めに一般客を打ち切るそうで。
しかたなく違うところを探すはめに。

で探した末見つかったのが、日帰り入浴OKで空いてて車10数台駐車も可能!という民宿がここ「切林」。キャッチフレーズは“ナウな民宿”。どないです? きっといかしたヤング達に人気なんでしょう。
中心街からちょっと離れた適度なマイナーさ加減がイイ感じです。

早速お風呂へ。外湯の温泉ではなく民宿の内湯なので、かなりこじんまりしてます。脱衣場などみんないっぺんに入ろうとして身動きできないくらいになったので少し時間をずらして入ることに。
露天の仕切りがかなりアバウトで隣の女子の声がすぐそこで聞こえます。隙間だらけで節穴まで! こりゃこっちが気い使ってしまいます。
狭いながらそれなりに風情もありますが、なんと向いの道路からも丸見えなんですよねえ。

お座敷で休憩させてくれました。みんな運転疲れもあってぐで〜。そのまま熟睡体勢に入るものもあり。
まあ帰りも長いのでゆっくり休んどかんと。

民宿を出るとそろそろ晩飯をということになり、近くの道の駅へ行くも、なんとここも寸での差でタイムアウト。う〜ん朝の遅れがことごとく響いてきてます。
でもせっかくなのでお土産も買いがてらここでしばらくいろいろ物色したあと、来た道と同じ龍神スカイラインを戻ります。明るいうちはそれなりに気持ち良いけど、夜は、それも疲れて帰る道中には少々ツラいこの道。いつのまにか無線で“しりとり”が始まりました。おお、これがけっこう眠気ざましになるですね。しかしあまりにバカバカしいあの内容を誰かが聞いてたら何ちゅうやつらと思うでしょうね。それもここは世界遺産になった高野山ですよ。

途中工事信号で止まったAMI8。青になった瞬間なんと信じられないコーナリングワークででワインディングをすいすいと抜けて行きます。速い!これにはびっくり。

結局無線で晩飯は焼肉が第一候補に上がっていてそれを待ちわびつつ山を降りたはいいけれど、今度はその焼肉屋が走れど走れどありません。やっと見つかったと思ったら「もう閉店で」とこんな具合。とことん朝の時間のズレが影響してますねえ。
寿司なども候補に上がってましたが、ここは確実な線で沿道に何軒か見かけたバーミヤンに決定。たらふく食ってうだうだしたあと、実質ここで解散となりました。



僕はといえば、帰った翌早朝から謎の熱が出て丸3日間寝込んでしまうハメになりました。そりゃたまにちょっと熱の出ることもあるけど、こんなにひどく続いたのは滅多に無いことで、平熱が低めの僕は39度近くまで出るともうトイレに行くのもままならない状態になってしまいました。こんな状態の時は寝てても本当に寝ているのは起きているのかもよく分からず、夢の映像がマトモでなくシュールレアリズムみたいな奇妙なモノを見るしワケが分からんのです。

これはきっと聖なる山で高排出ガスをまき散らした上、無線でバカなしりとりをしたバチが当たったのかもしれない・・・。さもなければ動態保存して価値のある歴史のある車でアホなしりとりとは何ごとやと戒めるフルヴィアート社長のテレパシーか(笑)
いやでもまあ、世間からは「そんな古い車乗れるんか」的なとらわれ方をしている旧車でも十分峠も長距離も走れるんですよね。もちろんきっちりメンテしての話ですが。そんなぜんぜん乗れる車を新車から10年そこらで廃車にしてしまうのってなんてもったいないことをしてるんでしょうねえ。このツーリングで何かそんなものを特に強く感じました。

おしまい



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